交通事故発生から示談金を受け取るまで

交渉の開始時期と時効

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被害者が事故によって死亡した場合、いつから示談の交渉を始めても問題ありません。その一方で、被害者が傷害を負った場合には、示談を始める時期を慎重に決定する必要があります。

例えば、治療が終わっていない段階で捺印すると、それ以降の損害賠償請求は行なわないと約束したことになり、残りの治療費が示談金でまかなえなくなってしまう可能性があります。傷害事故の被害者となった場合には、そのあたりの事情を踏まえた上で、治療が終わり、後遺障害等級の認定なども済んでから示談交渉を始めるのがベストでしょう。

ただし、治療の期間が長くなる場合には、「損害賠償請求権の行使には時効がある」という点に注意する必要があります。損害賠償請求権の行使ができるのは、自賠責保険の場合は事故の翌日から2年、民法に於いては事故の日から起算して3年と定められています。

ただし、ひき逃げ事故に遭い、加害者が見つかっていない場合には、20年が時効となります。事故の被害者は、自分の該当する請求権行使の時効を確認し、それに間に合うよう請求を行なう必要があります。また、「後遺障害に対する部分」・「怪我に対する部分」・「死亡した場合」では、時効の起算日が異なるので、注意する必要があります。

示談の内容と示談書

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事故の全ての過失が加害者にある場合には、被害者側の保険担当者が示談交渉をすることはできず、示談は被害者が自ら行なう、もしくは交通事故に精通した弁護士などに依頼することとなります。

示談では、示談金の支払い、及びその金額を決定します。そして、示談の交渉がまとまると、当事者同士が話し合いをしてお互いが納得すれば、民法で定めるところの「和解契約」が成立したこととなり、示談金の額は自由に設定することが可能になります。このような場面で、本来受け取ることのできる示談金の額を知らず、相手から提示された金額を鵜呑みにして示談書に捺印すると、不当に少ない金額で泣き寝入りせざるを得なくなる可能性があるので、注意する必要があります。

ちなみに、「示談書」とは、示談の交渉で決定した内容を記載した書類のことを意味します。こちらは、法的な効力を有する書類になります。示談書に捺印すると、それ以降の損害賠償請求を行なうことができなくなります。逆に言えば、これから先、まだ損害賠償を請求する可能性がある場合には、示談書に捺印しないよう、注意する必要があります。また、示談の交渉がまとまったにも関わらず、加害者が損害賠償金を支払ってくれないなどして、示談書に基づいて相手の資産を差し押さえる場合には、裁判を起こす必要があります。